車をローダウン・リフトアップする方法!

車をカスタマイズする方法にローダウン・リフトアップがあります。見た目が良くなる以外に走行面でメリットがあることをご存知でしたか?

今回はカスタムすることで得られるメリット・デメリットを紹介します!

ローダウンとは

ローダウンとは車高短(シャコタン)とも呼ばれ、車の車高(地面からの高さ)を下げるために、サスペンションの変更やスプリング(バネ)の交換を行うものです!

このカスタム手法は、1970年代後半に始まり、1980年代にはバネを切って短くする方法や、極端な例ではサスペンションを取り外して車高を下げる手法などが用いられてきました。しかし、現代では高級セダンからコンパクトカー、軽自動車、SUVまで幅広い車種に対応するための専用のスプリングやサスペンションが市販されており、比較的簡単にローダウンカスタムを実施することができます。

カスタマイズ方法

ダウンサスペンション(ダウンサス)

「ダウンサスペンション」(通称ダウンサス)とは、車両のサスペンションシステムに備わるバネを巻き替えて車高を下げる方法です。この手法では、地面からの衝撃を吸収するためのスプリングを新しいものに交換し、その結果として車の全高を低く調整します。多くの自動車メーカーから、各車種に合わせた専用設計のダウンサスが提供されています。

 

サスペンションシステムは、地面からの衝撃を緩和する役割を果たす「スプリング」と、バネの動きを制御する「ショックアブソーバー(ショック)」から構成されています。ダウンサスペンションの手法では、スプリングの部分だけを交換し、ショックアブソーバーは元々のものをそのまま使用します。

 

ダウンサスは、比較的低価格で手軽に車高を下げることができる方法です。

 

スプリング本体の価格は車種により異なりますが、一般的には1万円から3万円程度で入手可能です。取り付け工賃は約2万円から3万円ほどですね。このため、ダウンサスを取り付けるには合計で3万円から6万円の費用がかかります。

 

ダウンサスは、予算を抑えたい人におすすめですが、細かいこだわりを持つ人には向かないこともあります。

 

ダウンサスには以下の2つの主なデメリットが存在するからです。

 

  • ダウン量が少ない: 一般的にダウンサスのダウン量は20mm〜35mm程度です。

 

  • 車高の調整が制限される: ダウンサスを取り付けた後に車高を調整することが難しいです。

 

また、車検基準では最低地上高が最低地上高9cmと定められており、一般的な乗用車の最低地上高は約135mm〜155mm程度です。このため、35mmのダウンサスを取り付けても、最低地上高9cmまでには余裕がありますが、ダウンサスは一度取り付けるとダウン量の調整ができません。

 

このようなダウンサスの特性を理解し、納得することで、ダウンサスは車の装飾方法として非常にコスパの良い選択肢です!

 

最近では、ダウンサスの下げ幅が大きいものが増えており、40mmから50mmのダウンサスが多く存在します。中には65mmのダウンサスも登場しています。

 

タナベ製の『DF210』というダウンサスは、車検基準にギリギリ受かる範囲まで車高を低くすることができると言われています。

 

以前は、ダウンサスや純正スプリングのバネをカットするという荒技手法も使われていました。

ただし、この方法は車に損傷を与える可能性があり、さらに車検に合格しなくなる諸刃の剣でした(笑)

 

そうした状況の中で、『バネカットOK』のダウンサスがZOOMというメーカーから登場して大騒ぎ。このダウンサスは通常時でも約40mmのダウンが可能ですが、最大2巻までバネをカットすることで、さらに約20mmの車高調整ができるとされています。

 

車高調整式サスペンション(車高調)

車高調整式サスペンション(車高調)は、ダウンサスとは異なり、バネだけでなくサスペンション自体を取り替える手法で、自分の好みに合わせて車高を調整できる方法です。また、減衰力(伸縮に対する抵抗力)も調整可能で、乗り心地も自分の好みに合わせて調節することができます。

 

調整幅も幅広く、ノーマル車高から+20〜−60mmは出来る物がほとんど。

通常のダウンサスでは設定された車高しか調整できないのに対し、車高調では1cmだけ下げたり、5cmだけ下げたりといった細かい調整が可能な利点があります。

 

また、車高調は車高を上げたい場合にも、ダウンサスと異なりバネを交換する必要がなく、ネジを調整するだけで簡単に調整できます。これにより、車高を手軽に戻すこともできます。

 

さらに、減衰力を調整できるため、減衰力を強くするとスポーツ走行向きのハードな乗り心地になり、逆に減衰力を弱くすると柔らかな乗り心地になり、段差などでもスムーズな乗り心地が得られるようになります。

 

車高調整の費用は幅広く、安いものでは6万円から、高いものでは20万円を超えることもあります。工賃はダウンサスよりも少し高めで、おおよそ3万円から5万円ほどかかることが一般的です。

 

車高調整を行うためには、ダウンサスと比べて10万円から25万円の範囲の費用がかかります。しかし、車高調整を一度行えば長期間にわたって利用できます。

 

ショックダンパーの衝撃吸収部分が摩耗してしまった場合でも、約2万円ほどの費用でオーバーホール(分解・整備)を受けることができます。

 

また、車高調整において大きな利点は、1mm単位で車高を調整できることです。特に全長調整式の車高調では、ネジを回すだけで車高を調整できます。タイヤを外せるなら、素人でも簡単に調整が可能です。

 

要するに、車高調整にはそれなりの費用がかかりますが、その代わりに細かい調整が可能で、長い期間にわたって使用できる利点があると言えます。

 

エアサスペンション(エアサス)

エアサスペンション(エアサス)は、通常のショックアブソーバーやバネの代わりにエアスプリング(空気の入ったバルーン状のバネ)を使用するサスペンションのことを指します。主に高級車の一例としてレクサスLSなどに用いられるほか、バスやトラックなどでも採用されています。エアスプリングは空気の力を利用して衝撃を吸収し、そのため乗り心地が非常に快適で揺れにくく、乗員の酔いにくさや荷台内の荷物の制御にも優れた利点があります。これらの特徴により、高級車だけでなくバスやトラックなどでも広く採用されています。

 

エアサスペンションの主なメリットは、車内からボタン操作で瞬時に車高を変更できることです。車のスペックにより異なりますが、車高を全下げから全上げに変更する速さは、最速で1秒未満、遅くても約10秒程度です。高速道路や良好な路面を走る際には車高を低くし、悪路や段差を通過する際には車高を上げることができます。車高の調整幅もおおよそ15cm程度あります。車体が地面に着地するように全下げに調整しておき、必要に応じてノーマル車高に戻すことも可能です。駐車場での防犯対策として、車を全下げにしておけば、ホイールの盗難を防ぐことができます。また、ジャッキが入らないため、盗難リスクも低くなります。

 

ただし、エアサスを装着している純正車両では問題ありませんが、通常のサスペンションをエアサスに変更する場合、車検に通るためには構造変更が必要となります。

 

まとめ

ダウンサス 車高調 エアサス
価格  1~3万円  6~20万円  40万円~
工賃  2~3万円  3~5万円  10~30円
総合費用  3~6万円  9~25万円  50万円~
メリット ・手軽にカスタムできる

・安価

・自由に車高を調整できる ・自分で車高を調整できる
デメリット ・ダウン量が少ない

・車高の調整が制限される

・価格がダウンサスに比べて高額 ・非常に高価

 

メリット

車両をローダウンして車高を下げることにはいくつかのメリットがあります。これには以下のようなポイントが含まれます。

 

1.かっこいい

ローダウンによって車高を下げることで、見た目良し!他のノーマル車両よりも低く見えるため、他の車との差別化や個性の表現が可能です。

 

2.運動性能の向上

車高を下げることによって、車の重心が下がり、横方向への傾き(ロール)が減少します。これにより、カーブを曲がる際に安定性が増し、運動性能が向上します。

 

3.個性の表現

下げる幅やエアロパーツの有無、タイヤとフェンダーの隙間など、細かなディテールを調整することで、車両の個性を強調することができます。

 

4.ダウンフォースの増加

車高を下げることで、車体の下を通る空気の流れ方が変わり、ダウンフォースが増加します。これにより、高速走行時やコーナリング時の安定性が向上します。

 

要するに、ローダウンは車両の外観や性能をカスタマイズする手法として、スタイリッシュさとパフォーマンスの向上を実現する重要な要素となっています。ただし、注意深く行うことが重要で、適切なバランスと安全性を確保することが必要です。

 

デメリット

車両をローダウンすることにはいくつかのデメリットが存在します。以下にその一部を挙げてみましょう。

 

1.カスタムにかかる費用

車両をローダウンする際には、必ずパーツを交換する必要があります。ダウンサスを使用するだけでも数万円の費用がかかりますが、車高調整式やエアサスペンションを組む場合、十万円から数十万円にも上る費用がかかることがあります。

 

2.乗り心地の悪化

純正のサスペンションからバネやサスペンション自体を交換することで、乗り心地が固くなる可能性があります。また、段差を乗り越える際に跳ねやすくなる、地面からの衝撃が強く感じるなどの問題が生じることもあります。

 

3.車両の負担の変化

車両をローダウンすることにより、メーカーが想定している車両の負担が変わることがあります。これにより、本来の耐用年数よりも早く、例えばドライブシャフトブーツの破れなどのトラブルが発生する可能性があります。

 

4.車検への影響

車両をローダウンする際には、車高が法定基準を下回る可能性があります。そのため、車検に通るための調整や改造が必要となる場合があります。

 

5.道路走行の制約

車高が低くなることにより、スピードバンプや段差などを超える際に車体の下回りが接触する可能性が高まります。また、斜面の角度や道路の凹凸によっても接触する可能性が増えることがあります。

 

これらのデメリットを理解し、ローダウンを検討する際には慎重な判断が必要です。適切なカスタマイズを行うことで、デメリットを最小限に抑えつつ、メリットを享受することが大切です。

 

注意点

車高を下げる際に注意すべき事項がいくつかあります。以下に挙げてみましょう。

 

1.最低地上高

車検基準として「地面からの距離が90mm以上であること」が求められます。89mm以下の場合は車検に合格しない可能性がありますので、法定基準を守る必要があります。

 

2.段差や凹凸に注意

車道から店舗に入る際や出る際の段差、踏切の凹凸などには気をつける必要があります。エアロパーツの破損や車体の底を擦るなどのトラブルが発生する可能性があります。

 

3.雪の影響

雪の降る地域では、車高を下げたまま走行することで、雪の上での停止時に車両が埋まる可能性があります。また、低い車高は塩害にも影響を受けやすくなることに留意が必要です。

 

4.車高調整の手間と費用

車高を下げるためには、定期的にダウンサスの交換や車高調整が必要です。これには工賃や手間がかかり、経済的な負担がある場合があります。

 

5.雪道での利用

車高を下げた状態で雪道を走行すると、埋まってしまうリスクがあります。雪の季節には雪道に強いSUVやレンタカーを利用するなど、対策が必要です。

 

これらの注意事項を考慮して、車高を下げる際には慎重に判断することが大切です。デメリットやリスクを理解し、適切なカスタマイズを行うことで、快適なドライブと安全性を確保できます。

 

リフトアップとは

リフトアップ(Lift Up)とは、簡単に言えば車の車高を上げるカスタマイズのことです。主にオフロード走行において走破性を高め、障害物を乗り越えるために車高を上げる目的で行われるカスタマイズです。

 

車高を上げることで、車体が大きく見えるため、外観に大きな変化が現れます。また、リフトアップすることで、大径のホイールやタイヤを装着できるようになる場合もあります。

 

ドレスアップの一環としてリフトアップを行う人もいますが、多くの場合はオフロード走行のために悪路走破性を向上させることを目的として行われます。

 

ただし、どの車でも簡単にリフトアップできるわけではありません。通常、ラダーフレーム構造を採用している車両に対して可能なカスタム方法です。ラダーフレーム構造は、車体の骨組みがフレームで支えられている構造です。

 

一方で、リフトアップとは対照的な方法であるローダウンは、車の構造に関係なく行うことができます。ただし、通常のリフトアップはラダーフレーム構造を前提としているため、注意が必要です。

 

ラダーフレーム構造を持つ車両であれば、さまざまなリフトアップの方法が考えられますが、慎重な計画と専門的な知識を持つプロフェッショナルに相談することが重要です。

 

ラダーフレームを採用している車の例

・ジムニー

・ジムニーシエラ

・ランドクルーザー

・ランドクルーザープラド

・レクサスLX

カスタマイズ方法

スプリングを交換する

スプリングを交換することでリフトアップすることができます。サスペンションの交換により車高が上がりますが、その他の部品も同時に交換する必要があります。ショックアブソーバーやブレーキホースなどが該当します。

 

リフトアップ用のスプリングは市販されており、希望するリフトアップの高さに合わせて選択できます。特にオフロード向けの車種では、リフトアップのための専用セットが車種ごとに販売されていることがあります。これにより、適切な高さを選択しやすくなっています。

 

ただし、リフトアップする高さによって費用が異なる場合があります。交換にかかるパーツ代と工賃を合わせたトータル費用を計算しておくことが重要です。事前にしっかりと計画を立てて、予算内でのカスタマイズを行うことが大切です。

 

ボディを上げる

リフトアップする方法の一つとして、ラダーフレームとボディの間にボディブロックやスペーサーを挿入する方法があります。特にジムニーなどのラダーフレームを持つ車種では、他の方法と組み合わせて使用されることが多いです。

 

この方法は、他のリフトアップ方法と比較しても、手間や技術が必要な方法です。ボディとフレームの間にスペーサーを追加するため、専門的な知識と工具が必要です。また、車両のバランスや乗り心地に影響を及ぼすこともあります。

 

ただし、この方法は他のカスタマイズと組み合わせることで、目的に合ったリフトアップを実現できる利点があります。ただし、手間と技術が必要なため、初心者には難しいかもしれません。気軽にリフトアップを行いたい場合は、他の方法を選択することを検討するのが良いでしょう。プロフェッショナルに相談して、最適な方法を見つけることをおすすめします。

 

タイヤとホイールを交換する 

気軽にリフトアップしたい方におすすめしたい方法は、タイヤとホイールを交換する方法です。これは、タイヤとホイールのサイズを大きくすることで、車全体の車高を上げる方法です。

 

他のリフトアップ方法と比較すると、タイヤとホイールの交換は比較的簡単に行えます。ただし、タイヤの大きさを変えることで、フェンダーやホイールアーチとの干渉に注意が必要です。車種によってはスペースが十分にあるため、タイヤを大きくすることで少しのリフトアップ効果を得ることができます。

 

しかし、タイヤとホイールのサイズ変更によるリフトアップは限られた高さの上昇に留まるため、大幅な車高の変更を求める場合には他の方法も検討することが重要です。車のバランスや安全性にも注意しながら、適切な方法を選択することが大切です。

注意点

車をリフトアップする際に注意すべき点はいくつかあります。以下に挙げたいくつかのポイントについて詳しく説明します。

 

  • 乗り心地と走行安定性の変化

車をリフトアップすることで、車高が高くなります。これによって重心も高くなり、コーナリング時のロール量が増加する可能性があります。その結果、ハンドリングや直進安定性に影響が出ることがあります。特に高速道路やカーブでの走行においては、ノーマルよりも慎重な運転が必要です。

 

  • ホイールハウスのスペース

タイヤやホイールを交換する場合、ホイールハウスのスペースに注意が必要です。リフトアップしていない状態では、タイヤがホイールハウスに接触してしまう可能性があります。車両ごとに許容されるサイズが異なるため、適切なサイズのタイヤとホイールを選ぶことが重要です。

 

  • 車検に通るための手続き

車をリフトアップすると、車高が変わるため車検に通るかどうかが心配です。2021年9月からは新たな基準が導入されており、リフトアップによる車両突入防止装置の関連規制が厳格化されています。リフトアップによっては構造変更申請が必要な場合もあります。具体的な車種や方法、リフトアップの高さによって異なるため、専門家に相談することが重要です。

 

総合的に考えて、リフトアップは走破性や見た目の向上を目指す魅力的なカスタムですが、安全性や法規制にも気を配る必要があります。適切な方法と専門家の助言を得ることで、満足のいくカスタマイズを実現できるでしょう。